外壁塗装は、経年劣化などによる見た目と建物の機能面の劣化を修復する工事です。外壁全体に対して施すことになるため、まず気になるのは費用面ではないでしょうか。今回は外壁塗装の費用について、相場価格や注意すべきポイントなどをご紹介いたします。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装の費用相場ですが、一般的な2階建ての一軒家の場合で約80〜150万円といわれています。ただしこれはあくまでも目安ですので、実際にはいくつかのポイント次第で変動するため、そのポイントを実際の建物に当てはめることで、より正確な費用感を知ることができるでしょう。
外壁塗装の費用を決めるのは以下のポイントです。
- 対象となる建物の大きさ
- 使用する塗料の種類
- 対象となる建物の劣化具合
外壁塗装を施す対象の建物が大きければ大きいほど、施工時の作業量や人員、足場の設置などにコストが掛かってしまいますので、その分費用が高くなります。また、塗料には数多くの種類がありますが、中には塗料の品質によって理由で料金が高くなる場合もあり、そうした塗料を選択した場合には、費用に加算されます。さらに、建物の劣化具合によってはしっかりと塗装しなければなりませんので、塗料の使用量が増えることにより費用も増します。
まれに、「足場代無料」というサービスを行っている施工業者を見かけますが、気をつけなければなりません。足場代の費用には、通常足場の運搬費や設置費用などが含まれておりますが、それらが無料ということは本来あり得ないことです。場合によっては、足場代の代わりに施工費用の単価で帳尻合わせをするケースもあるため、しっかりと注意・確認してください。
費用に関する注意点
外壁塗装に関する費用について、いくつかの注意点があります。しっかりとした施工と納得のいく費用のバランスを取る上で欠かせない要素となりますので、見積もりを出してもらうときの参考にしてください。
一つ目の注意点は、「できる限り値切らない」ことです。家電製品など、通常の買い物のときにもつい値切り交渉をしてしまいがちですが、外壁塗装の場合にはできる限り避けるべきでしょう。もちろん、見積もりの段階で提示された金額が適正か否かの判断はとても重要です。
しかし、基本的には提示された見積もり額というのは、必要最低限の内容を含めている金額となりますので、そこから値切ることは単純に施工業者の利益を減らしてしまうことになる、あるいは必要な内容を削ることになるわけです。
施工業者もプロですので、手抜き工事にならない程度で考慮してくれるとは思いますが、壁面の洗浄などの時間を通常よりも短くすることや、人件費を削るなど、クオリティに影響しかねない部分がコストカットされてしまう恐れがあります。
二つ目の注意点は「安さだけを重視しない」ことです。依頼主の方からすれば、当然費用はできる限り抑えたい気持ちでしょうが、安さだけを追求してしまうと、仕上がりがイマイチといったさんざんな結果になってしまいかねません。外壁塗装の目的は、見た目のリニューアルと同時に外壁の補修ですので、クオリティがイマイチでは元も子もありません。
最後の注意点は、「時間がないからといってすぐに決めてはいけない」ことです。プロである施工業者が提示した見積もりであっても、しっかりと内容の確認をしないまま鵜呑みにして決めてはいけません。相場価格よりも高めに見積もりを出している場合や、「今日中に決めてくれればこの金額でできる」といった限定価格かのように演出しながら、実際には高額な見積もりだったケースも少なくないのです。
妥協によるリスク
外壁塗装で妥協はすべきではありません。予算との兼ね合いから、どうしても妥協しなければならない場合もあるかもしれませんが、それ以外の場合には施工業者が提示した内容と金額での施工を第一に考えることをおすすめします。
例えば、よくあるケースとして「工事の工程を省く」場合があります。本来2回行わなければならない上塗りという工程を1回だけにする、高圧洗浄を行わないなど、施工が完了できる範囲で工程を省くことがありますが、非常に危険です。本来すべき工程には、全てに意味があるため、省いていいものではありません。それを省いてしまうことで、数年ですぐに劣化してしまうなどの実害が出る可能性が非常に高まります。
また、塗料などの品質についても、低品質のものを使った施工は家の寿命が縮める結果になりかねません。せっかく費用を払って行う工事ですので、確実に意味のあるものにしなければ工事自体が無駄になってしまいます。残念な結果を招いてしまわないためには、施工業者の提示する費用をしっかりと確認した上で、そのまま受け入れることをおすすめします。
外壁塗装で家を守りましょう
表面のデザインを一新し、経年劣化などによる破損やひび割れなどを修復できるのが外壁塗装の目的で、メリットとなります。これまで住み続けてきた家を、この先もきれいな状態で安心して住み続けていくためには、非常に効果のある工事です。暮らしや家を守るために大きく影響するものですので、無闇に値切ってしまうことなく、プロの手によって確実に効果のある施工をしてもらうようにしましょう。分からないことは、問い合わせればしっかりと答えてもらうことができるはずです。